【失敗しない】あさりの砂抜き方法と意外に知らない塩抜きと保存方法


あさりを美味しく食べるには砂抜きが必要ですよね。せっかく美味しく調理しても、食べた時に口の中で「ジャリッ」ってなったら悲しいですもんね!

そんなあさりの砂抜きとは別に、「塩抜き」という工程を踏むことで、あさりの旨味が一気に増して、料亭並みの味になることをご存知でしたでしょうか。

また、潮干狩りで新鮮なあさりをいっぱい獲って来た時はもちろんですが、スーパーできれいにラップされたアサリを買ってきた場合でも、基本的に砂抜きは必要なんですね。

それでは早速、失敗しないあさりの砂抜き方法と塩抜き方法、あさりの保存方法など、詳しくご紹介していきます。


失敗しないあさりの砂抜き方法

あさりは海の砂利や砂の中で生息していて、呼吸をする際にあさり自体が砂を吸ったり、噛んだりしているので、調理する下準備として砂を吐き出させる必要がありますよね。これは、スーパーなどで売られているあさりも同じです。

スーパーのあさりでは、砂抜き不要や砂出し済みと記載された物もありますが、どのような方法で砂抜きをしたのかわかりませんし、経験上砂を噛んでるものも多々あるので、そんな場合はぜひ砂抜きすることをお勧めします。

あさりの砂抜きで準備するもの

・ザルとボウル
・水切りバット
・海水または塩分濃度3%の塩水
・新聞紙

ザルとボウルは、あさりを水道水の流水で洗うのに何度か使用します。

バットは平らな網などで、底上げの二重底構造になるものであれば何でもokです。(網の目からアサリが落ちないもの)

潮干狩りをした場合は、そこの海水を2Lのペットボトルで2〜3本ほど持って帰ると、あさりの砂抜きに使えて便利ですよね。海水がない場合は、塩分濃度3%の塩水を作ります。※ 水500mlに塩大さじ一杯(約15g)で3%の塩水になります。

新聞紙は、砂抜きをしている時にあさりの入った容器に被せて蓋をしたり、あさりを保存するのに使用します。

あさりの砂抜き手順とポイント

あさりの砂抜きの手順は実際にやってみると簡単で、1〜2回やればすぐに覚えられると思います。まずは一連の流れを見て把握してください。併せて砂抜きの手順にそった解説とポイントを詳しくご紹介していきます!

砂抜きの手順

  1. ザルにあさりを入れて流水で洗う
  2. 網などで底上げされたバットにあさりを並べ入れる
  3. あさりが浸るくらいまで海水または塩水を入れる
  4. 新聞紙を被せて蓋をして4〜5時間おいておく
  5. ザルに取り出し流水で洗う
  6. 海水または塩水を捨てた状態で再度2.を行う
  7. 塩抜きの工程へ
この砂抜き一連の作業は、台所では行わないようにしましょう。あさりの貝などには腸炎ビブリオが付着していることもあり、調理器具にあさりの潮吹きが飛ぶなどすると、二次感染を引き起こす場合があります。

砂抜き手順の解説とポイント

1. ザルにあさりを入れて流水で洗う

潮干狩りで持ち帰ったあさりや、特にスーパーで買って来たあさりは冷蔵庫に入れる前に、まずしっかり洗って砂抜きをします。両手であさりをすくい、貝殻を擦り合わせるようにゴロゴロと洗います。このとき必ず流水で洗います。潮干狩りなどで獲って来た量が多いときは、軍手をはめてゴロゴロ洗うと手を傷めず楽に洗えて便利ですよ。

この工程で、死んでいるあさりを識別して取り除いておきます。

・貝が開いてしまっているもの
・ゴロゴロ洗い時、音が軽いもの
・異臭がするもの

これらの死んでいるあさりを他のあさりと一緒にしておくと、周りあさりまで傷んでしまうので、早めに取り除くようにしましょう。

2. 網などで底上げされたバットにあさりを並べ入れる

網状の2重底構造なので、あさりが吐いた砂だけがバットの底に溜まります。

あさりの上にあさりが重ならないように置いていくのですが、もしスペースに余裕があるようなら、あさり同士をあまり密集させないようにするのがポイントです。あさりが密集しすぎた場合、この次の工程で入れる海水(塩水)中の酸素濃度が下がり、あさりが弱って砂を吐き難くなってしまうんですね。

また、上に積み重なるように置くと、上のあさりが吐いた砂を下のあさりが吸ってしまい、上手く砂抜きができないことがあるので注意しましょう。

3. あさりが浸るくらいまで海水または塩水を入れる

このときの海水(塩水)を入れる量ですが、あさりの頭が少し出るか出ないかくらいまで注ぎます。これは、あさりが水管を伸ばして呼吸をする際に砂をよく吐くのですが、水を多く入れ過ぎるとあさりが沈んでしまい砂を吐き難くなるからです。

また、あさりの砂抜きに使用する水の温度は、あさりが生息していた場所の海水温に等しくすることで砂をよく吐くと言われますが、一般的には20℃が目安です。水温が15℃を下回るとあさりの活動は弱まり、25℃を超えるとあさり自体が弱ってしまうと言われています。

準備するもののところで、砂抜きに使用する塩分濃度3%の塩水の作り方について触れましたが、もし可能であればカルキ抜きの水で塩水を作ると、砂抜きの効率が上がります。カルキ抜きの水は、事前に水道水を汲み置きすることで簡単に作れますが、無い場合は水道水から作った塩水でも大丈夫です。

4. 新聞紙を被せて蓋をして4〜5時間おいておく

あさりに新聞紙をかぶせて暗くすることで、普段生息している海の砂泥底を擬似的に作り出します。

勘違いしたあさりは、安心して活動を始め、活発に動き出し砂をたくさん吐き出してくれますよ。

またあさりは砂を吐く際に、勢いよくピュッピュと潮を吹くので、新聞紙を上に覆い被せることで、周囲への水の飛散を防ぐことができます。この時、ラップなどで完全に密閉した蓋をしてしまうと、酸欠であさりが弱ったり死んでしまうことがあるので気をつけましょう。

砂抜き場所としては季節にもよりますが、屋外なら日陰で涼しい場所、屋内なら台所以外の涼しい場所や風呂場などがおすすめです。

冷蔵庫内では絶対に砂抜き作業をしないようにしましょう。

砂抜きの時間は、潮干狩りで獲ってきた鮮度の良いあさりの場合で4〜5時間も経てばしっかり砂は抜けていると思います。スーパーで買って来たあさりは、すでに少し砂が抜けていたり弱っている場合もあるので、3時間を目安に砂抜きします

砂抜きにかける時間を無駄に長くしても、砂がたくさん抜けるということはなく、逆に水が汚れて酸欠状態に陥りあさりが弱ったり死んでしまう恐れがあるので、注意が必要と言えそうですね。

新聞紙で蓋をして砂抜きを始めて15分〜20分もするとバット底に砂が溜まっています。もし砂が出てきていない場合は、少し塩を追加します。これは海水の塩分濃度が生息地の場所によって3%〜3.5%と幅があるためです。

5. ザルに取り出し流水で洗う

砂抜きの時間が経過したら、再度あさりをザルに取り出して1.の工程と同様に、流水(水道水)であさりの貝殻をゴロゴロ擦り合わせるように洗います。この時も、死んでしまったあさりがないか確認するようにしましょう。

また、数時間放置の間に腸炎ビブリオが増殖している場合もあります。腸炎ビブリオは真水に弱いので、ここでしっかり洗うようにします。

6. 海水または塩水を捨てた状態で再度2.を行う

この時点であさりの砂抜き作業は終了していますが、流水でしっかり洗ったあさりを再び2.の工程と同様に、網などで底上げされたバットに並べ入れます。

※このとき海水(塩水)を捨てて、網とバットをしっかり洗っておくことをおすすめします。

7. 塩抜きの工程へ

と言うことで、この時点で既に調理すればあさりは食べられる状態になっていますが、あともうひと手間かけることで、あさりは見違えるように美味しくなるんですね。

あさりの塩抜き方法

砂抜きの後の塩抜き作業。実はこの塩抜きの工程を行わない人が意外に多いようなんですよね。

塩抜きのひと手間をかけるとどうなるのか?

結論から言うと、塩抜きをすることで余分なあさりの塩辛さが抜けて、本来のあさりの味が前面に出て、料亭で出される貝料理のような上品で濃厚な味わいになります!

その塩抜きの方法はいたって簡単です。先程の砂抜きの工程の6.で、塩水の無い状態でバットの網の上にあさりを並べたと思いますが、そのあさりの上に新たにキッチンペーパーや新聞紙を被せて1時間〜3時間ほど置いておきます

この塩抜きの工程では、30分〜1時間もすればあさりは貝に含んだ余分な海水や塩水を吐き出します。ですが、その後もそのまま放置し、あさりを塩水の無い空気に晒すことで、あさりの旨味成分でもあるコハク酸を増加させることができるんですね!コハク酸は長い時間放置したからといって増え続けるわけではないので、3時間も置いておけば十分旨味もupしていますよ。

その後、ザルに移し流水できれいに洗って塩抜き作業は終了です。

あさりの保存方法

あさりを保存する際は、潮干狩りで獲ってきたものやスーパーで買ってきたものに関わらず、まずはあさりが元気なうちに砂抜きをするようにしましょう。砂抜きや塩抜き作業が終わったあさりは、塩水がない状態でも数日は生ていられます。

冷蔵保存の場合

冷蔵庫で保存する場合は、あさりを湿らせた新聞紙で包み、ビニール袋などへ入れて2〜3日で食べきるようにします。あさりを入れた袋や容器の口は密閉せず、 呼吸ができるようにしておきましょう。

また、あさりには冷蔵庫の温度は少し低すぎるので、野菜室があればそちらの方が良いと思います。

冷凍保存の場合

潮干狩りであさりがたくさん獲れたときなどは、砂抜きと塩抜きを済ませた状態で冷凍保存することができます。

あさりの身と貝殻を引き離さず、貝丸ごと殻付きで一気に冷凍するようにします。一気に冷凍することで解凍時の貝が開きやすくなり、あさり本来の味も閉じ込められるのでお勧めです。小分けして、密閉できる袋などに入れて、冷凍庫に入れます。

冷凍したあさりは、1〜2ヶ月間は美味しくいただくことができます。また調理する際は、冷凍庫から取り出した凍ったままのあさりを直接火にかけるなど、一気に加熱することで貝が開きます。レンジ調理も可能です。

自然解凍だと貝が開かないので要注意です。

解凍時は一気に加熱するので、貝が開いたら一旦あさりを取り出すなどしておくと良いかもしれませんね。せっかく美味しく解凍しても、火が入り過ぎてしまうと、あさりの身とが硬くなってしまいますからね!

まとめ

潮干狩りのシーズンともなると、自分で獲ったり、潮干狩りに行った方から頂いたりと、あさりを食べる機会もふえますよね!ここでは、失敗しないあさりの砂抜き方法を紹介しました。

今までなんとなく砂抜きをして、なんとなく「ジャリッ!」ってなっていた人も居るかもしれませんが、この記事を読んでくださったあなたは今後、失敗なく上手くあさりを調理できることと思います。

ぜひ、美味しくあさりをいただいてくださいね!

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