はまぐり(蛤)と聞くと、春だなぁって感じますよね!桃の節句には毎年はまぐりを食べる人も多いのではないでしょうか。
日本では古く縄文時代からはまぐりは食べられていたそうですが、最近ではその数も激減して、はまぐりは貴重な食材になってしまいましたよね。潮干狩りに行って、あさりに混じってはまぐりが獲れたらそれはもうビックリです!
シーズンにはスーパーにも並ぶはまぐりですが、同じ二枚貝のあさりやしじみと比べると、身も大きく食べ応えもあり、存在感もありますよね!
今回は、そんなはまぐりの砂抜きの方法や塩抜きの方法、忙しい時に短時間で終わる砂抜き方法。さらには、一つひとつが大きく場所を取るはまぐりの上手な冷凍保存の仕方などをチェックしていこうと思います。
目次
はまぐりの砂抜きと塩抜きの方法
はまぐりの入手経路というと、潮干狩りで獲ってきたり、お裾分けで頂いたり、市場で買ったり地元のスーパーで買ったり色々あると思います。二枚貝のはまぐりは、普段は砂泥底に生息する貝で、砂を持っているので調理する際は砂抜きの作業が必要です。
スーパーで売られているはまぐりで、砂抜き不要などと書かれたものがあると思います。しかし、実際に買ってきて家で塩水につけて砂抜きをしてみるとわかるのですが、砂は出なくとも、黒い泥のような又はもっと細かい汚れのようなものが出てくることがあります。なので、一度は自分の手で砂抜きをしておくと良いかもしれませんね。
はまぐりの一般的な砂抜き方法と塩抜き方法
・ザルとボウル
・バット
・塩分濃度3%の塩水
・新聞紙
・フリーザーバッグ数枚
ザルとボウルは、はまぐりを水道水の流水で洗うのに何度か使用します。
バットの底に、水切りや油切りの網などを置いて、二重底にすると効率よく砂抜きができます。
塩分濃度3%の塩水は、水500mlに対して塩大さじ一杯(約15g)で作ることができます。もし潮干狩りではまぐりを獲ってきた場合は、はまぐりを獲った場所の海水を、ペットボトルなどに入れて持ち帰ると便利です。
- ザルにはまぐりを入れて流水で洗う
- バットにはまぐりを並べ入れる
- はまぐりが浸るくらいまで海水または塩水を入れる
- 新聞紙を被せて蓋をして2〜3時間おいておく
- ザルに取り出し流水で洗う
- 最後に塩抜きをして完了
〜 ポイント 〜
1. ザルにはまぐりを入れて流水で洗う
潮干狩りで持ち帰ったはまぐりや、特にスーパーで買って来たはまぐりは冷蔵庫に入れるのではなく、まずしっかり洗います。貝同士を擦り合わせるようにゴロゴロ洗います。はまぐりは大きいので、軍手などをはめて洗うと手を傷めることもなく、洗いやすいです。
真水で洗うことによって、はまぐりの貝に付着している腸炎ビブリオをある程度洗い流すことができます。この時に、洗いながら死んでいるはまぐりを識別して取り除いておきましょう。
・貝が開いてしまっているもの
・ゴロゴロ洗い時、音が軽いもの
・異臭がするもの
上記のはまぐりは死んでいるので、他のはまぐりと一緒にしておくと、周りのはまぐりまで傷んでしまうので、早めに取り除いておきましょう。
2. バットにはまぐりを並べ入れる
はまぐり同士が重ならないように置いていきます。この時、バットの底に平らな網などを置いて底上げしておくようにします。二重底にしておくことで、はまぐりが吐いた砂を再度吸ってしまうということが無くなります。
3. はまぐりが浸るくらいまで海水または塩水を入れる
はまぐりの頭が少し出るか出ないかくらいまで塩水を注ぎ入れておくようにします。はまぐりの砂抜きに使用する塩水の温度は、はまぐりが生息していた場所の海水温に等しくすることで、はまぐりが活動的になり、砂抜きの効率が上がります。
一般的に塩水の温度は20℃程度が目安です。水温が15℃を下回るとはまぐりの活動は弱まり、25℃を超える塩水に長く浸けておくと、はまぐり自体が弱ってしまいます。
準備するもの のところで、砂抜きに使用する塩分濃度3%の塩水の作り方について触れましたが、もし可能であればカルキ抜きの水で塩水を作ると、砂抜きの効率が上がります。
4. 新聞紙を被せて蓋をして2〜3時間おいておく
はまぐりに新聞紙をかぶせて暗くすることで、普段生息している海の砂泥底を擬似的に作り出します。こうすることで、はまぐりはリラックスして活発に動き出し、砂をよく吐き出してくれるんですね。
また、はまぐりは勢いよく豪快に潮を吹くので、新聞紙を上に覆い被せることで、周囲への水の飛散を防ぐことができます。はまぐりは生きているので、ラップなどで完全に密閉した蓋をしてしまうと、酸欠で弱って死んでしまうので、注意が必要です。
砂抜き場所としては季節にもよりますが、屋外なら日陰で涼しい場所、屋内なら台所以外の涼しい場所や風呂場などがおすすめです。そのまま安静に2〜3時間置いておきます。スーパーで買った砂抜き不要のはまぐりなら、1〜2時間の砂抜きで充分だと思います。
5. ザルに取り出し流水で洗う
砂抜きの時間が経過したら、再度はまぐりを流水(水道水)でゴロゴロ擦り合わせるように洗います。この時も、死んでしまったはまぐりがないか確認するようにしましょう。また、数時間放置の間に腸炎ビブリオが増殖している場合もあります。腸炎ビブリオは真水に弱いので、ここでもしっかり洗うようにします。
6. 最後に塩抜きをして完了
これで、はまぐりの砂抜きは完了しているのですが、さらにもうひと手間かけることで、はまぐりがいっそう美味しくなります!
2.の工程で使ったバットの塩水を捨ててきれいに洗った後、はまぐりを再度並べて、湿らせた新聞紙をかぶせ3時間ほど放置しておきます。この塩抜きの作業をすることで、はまぐりの中に無駄に含んでいる塩分が抜けて、美味しく調理しやすくなります。また、3時間ほど空気にさらすことで、はまぐりの旨味成分でもあるコハク酸を増加させることができるので、時間がある場合はぜひ試してみてくださいね。
最後にはまぐりを流水でしっかり洗ったら完了です!
ここまで簡単にはまぐりの一般的な砂抜きの方法を紹介しましたが、【さらに詳しい、失敗しない砂抜きの方法をこちらの記事でもご紹介しています!基本的にはまぐりとあさりの砂抜きの方法は同じになります。】
→ 【失敗しない】あさりの砂抜き方法と意外に知らない塩抜きと保存方法
はまぐりを50度のお湯で簡単に砂抜きする方法
貝の砂抜きというと時間がかかるものですが、実は 50度のお湯を使って砂抜きをすれば、はまぐりの砂抜きを10分ほどで完了することができるんです!はまぐりの量が少なくて1回で食べきってしまう時や、どうしても時間がないときなどには、便利な砂抜き方法だと言えます。
1. はまぐりをザルに入れ、流水でしっかり洗う
一般的な砂抜き方法と同様に、この時点で死んでしまっているはまぐりを、チェックして取り除いておきます。
2. ボウルにはまぐりを入れて 50度のお湯を注ぐ
50度のお湯を注ぐとすぐに貝が数mm開くので、使い捨ての割り箸などではまぐりをまんべんなくかき混ぜます。すぐにお湯が濁って汚れるので、一旦お湯を捨てます。
3. バットにハマグリを並べ入れて 50度のお湯を注ぐ
この時、はまぐりがしっかり沈むまで50度のお湯を入れて、そのまま10分置いておきます。
4. はまぐりを取り出し流水で洗って完了
これで、はまぐりの砂抜きは完了していますが、一度熱がかかっているはまぐりは、保存するのには適さないので、このまま調理してしまいましょう。
時間がないときの、砂抜き時短ワザを簡単に紹介しました。
【この砂抜き時短ワザの詳しいやり方や解説、メリットやデメリットなどをこちらで詳しくご紹介しています。】
→ 【時間短縮】あさりの砂抜きを50度のお湯で簡単に終える時短ワザ
はまぐりの賢い保存方法
はまぐりは生き物ですが、実は冷蔵庫や冷凍庫で保存することができるんですね。どちらで保存するにしても、まず砂抜きを終わせておく必要があります。ただし50度のお湯で砂抜きをしたはまぐりは、冷凍冷蔵ともに保存には適さないので、その日のうちに調理して食べてしまいましょう。
冷蔵保存する場合
砂抜きが終わったはまぐりは、湿らせた新聞紙に包んで、ビニール袋に入れ、冷蔵庫で保管することができます。もし野菜室があるのなら、冷蔵庫では冷えすぎてしまうので、野菜室で保存するのがオススメです。
冷蔵保存で2〜3日は美味しくいただくことができますが、はまぐりは乾燥に弱いのと、冷蔵保存の際に死んでしまったはまぐりがいたら取り除くなど、注意が必要です。
冷凍保存する場合
砂抜きが終わったはまぐりを冷凍保存する際は、フリーザーバッグに入れて空気を抜いて口を密閉して保存します。この時、貝の殻がついたままのはまぐりを丸ごと冷凍することで、比較的はまぐりの風味を落とすことなく冷凍保存することができます。
冷凍保存なら数ヶ月は大丈夫ですが、できれば1〜2ヵ月で消費するようにしましょう。そして調理する際は、凍ったままのはまぐりを直接火にかけることで貝が開きます。
ただし、あさりやしじみと違って、はまぐりの貝は大きいので、量が多い時などは冷凍庫のスペースの問題もありますよね。少量のはまぐりなら大丈夫かもしれませんが、一般家庭の冷凍庫で殻付きのはまぐりを大量に冷凍するのは、かさばってしまい現実的ではありません。
火を通してむき身で賢く保存する
はまぐりの量が多い時などは、むき身にして冷凍保存しておくと、かさばらず便利ですよね。
砂抜きが完了しているはまぐりを鍋に入れて、はまぐりが浸る位水を入れ火にかけます。開いた貝から順番に鍋から取り出して、身と殻を離し、殻は捨てます。このようにしてすべてのはまぐりの身だけを取り出し終わったら火を止めます。
鍋にははまぐりの美味しい出汁が出ているので、茹で汁は捨てずに一緒に冷凍保存するのですが、身と茹で汁が常温まで冷めたら、小分けしてフリーザーバッグにはまぐりの身と茹で汁を一緒に入れて、空気を抜いた状態で冷凍保存します。
この場合も冷凍後1〜2ヶ月で消費するようにしましょう。調理するときは、そのまま解凍して使うことができます。
通常、むき身で冷凍保存すると、風味や食感が損なわれやすいのですが、この方法だと出汁の中にはまぐりが浸かった状態で冷凍しているので、美味しくいただくことができてオススメですよ!
まとめ
今では貴重な食材のはまぐりですが、砂抜きの方法はあさりとほぼ同じなんですね。
今回、砂抜きの時短ワザも少し紹介しましたが、状況に応じて使い分けてもいいかもしれません。
冷凍保存する場合も、冷凍庫のスペースの問題もそうですが、何を作るのかメニューを決めてから保存方法を決めてもいいですよね!
賢く便利に使い分けて、美味しくはまぐりをいただきましょう!