最近では、ホンビノス貝という名前もすっかり周知されて、スーパーでもよく見かけるようになってきたのではないでしょうか。
実はこのホンビノス貝、潮干狩りでも場所によっては、あさり並みに沢山獲れることもあり、ホンビノス貝の酒蒸しや潮汁にして食べたことがある人も多いのではないでしょうか。美味しいんですよね!
とはいえ、ホンビノス貝は外来種ということもあり、砂抜きや塩抜きや保存方法、どうやって食べるのかなど、食べ方もいまいち分からず未だ調理したことがない人もいると思います。
なので今回は、「ホンビノス貝の砂抜きや塩抜き方法から効率の良い保存方法」さらには、「おすすめ度の高いホンビノス貝の超絶美味しい食べ方と人気レシピ」「ホンビノス貝を知り尽くした漁師さんが船の上で食べるおすすめの食べ方」など、詳しくご紹介していきます!
目次
ホンビノス貝ってどんな貝なの?砂抜きは?
ホンビノス貝は、もともと日本には生息していない貝だったんですね。原産は北アメリカで、アメリカでは古くからホンビノス貝は、食用貝として食べられていて、とても貴重な食材だったと言われています。
これが、2000年代に入ってから、日本の海岸でも徐々に発見されるようになり、各地に広がり増えていったとされています。そして、ホンビノス貝が日本で本格的に知れ渡って人気が出てきたのは、2010年代に入ってからと、まだ最近なんですね。
実はこのホンビノス貝、味ははまぐりにとても似ていて、甘みがあり結構美味しいんです!大きさもはまぐりと同じくらいということから、当時は『白はまぐり』という名前で一時流通していましたが、現在では白はまぐりとは呼ばず、ホンビノス貝と正しく呼ばれるようになりました。
日本古来のはまぐりは、今では絶滅危惧種に指定され、スーパーで売られている値段もかなり高くなってしまいましたよね。そんな中、味や食べ応えがよく似ていて、はまぐりと比べると値段もかなり安いホンビノス貝が身近になり、一気に人気が出たのかもしれませんね。
ホンビノス貝の簡単な砂抜きと塩抜き方法
貝を調理するときに気になるのが、砂抜きをどうすればよいのか?だと思います。
結論から言うと、このホンビノス貝は砂抜きは不要です。スーパーで売られているホンビノス貝も、砂抜きは不要として売られていると思います。実際に私も、潮干狩りで獲ってきたホンビノス貝を砂抜きしてみましたが、あさりや他の貝のように砂は出ませんでした。
ただ、塩水に3時間ほどつけておいた後の水は少し汚れていて、泥のような粒子や黒っぽい汚れた排出物があったので、一応砂抜き作業は毎回するようにしています。なので、もし気になる人は、簡単に砂抜きをしてもいいかもしれませんね。
以下、簡単なホンビノス貝の砂抜きの方法です。
- ホンビノス貝を流水で洗う
- バットにホンビノス貝を並べ入れる
- 海水または塩水を入れ2〜3時間置く
- 塩抜き後、流水で洗って完了
貝には、食中毒を起こす腸炎ビブリオが付着していることがあるので、流水でしっかり洗うようにします。
塩水を使って砂抜きをする場合は、塩分濃度3%の塩水を使用します。(水500ml に 塩 大さじ1杯で3%の塩水ができます)
基本的に砂は持っていないので、潮干狩りで獲ってきたホンビノス貝でも長くて3時間、スーパーのホンビノス貝なら1時間も塩水に浸けておけば充分です。この時、新聞紙などで覆って暗くしておくと、ホンビノス貝の動きが活発になり効果的です。
砂抜きが終わったら続けて塩抜きをします。塩水から上げて、ホンビノス貝を空気にさらすことでホンビノス貝の持つ余分な塩辛さが抜けて、食べやすく調理しやすくなります。この時、空気中に3時間ほど放置しておくことで、貝の旨味成分でもあるコハク酸が増加するとも言われています。
最後に流水でしっかり洗ったら完了!です。早速ホンビノス貝を調理していきましょう!
CHECK あさりやはまぐりに比べるとホンビノス貝は塩辛さが強いので、塩抜きをしっかりしておくとより美味しくいただくことができます。
- 貝が開いてしまって閉じないもの
- 異臭がするもの
- 貝同士をぶつけて鈍く軽い音がするもの
これらの貝は、既に死んでしまっているので、砂抜きの時に取り除いておきましょう。
ホンビノス貝の美味しい食べ方と人気レシピ
ホンビノス貝の味は、はまぐりやあさりに似ていると言われますが、個人的にははまぐりに近い味かなと思います。なので調理法も、あさりやはまぐりと同じような食べ方なら、美味しくいただけると思います。
その中でも特におすすめのレシピ!
濃厚でしっかりとした味のホンビノス貝を満喫するには、シンプルな味付けが1番。と言うことで、おすすめ度の高いホンビノス貝の食べ方をご紹介します!
絶品!ホンビノス貝の網焼き
おすすめ度:★★★★★
同じ網焼きでも、ちょっとした工夫で全く別ものになります。是非、この方法でチャレンジしてみてくださいね!
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【材料】
- 醤油 適量
- 酒 適量
- ホンビノス貝
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【作り方】
- アルミホイルで土台を作る
- 網で焼き、貝が1cm程開いたら出汁を取っておく
- 蝶番から切り離し1枚にする
- 酒と醤油と先ほど取っておいた出汁を入れる
- 貝の汁がグツグツして火が通ったら出来上がり
〜 ポイント 〜
網焼きのポイントは、『焼き』と言いながらも、貝の殻の中で醤油と酒と貝の出汁で煮るイメージです。そうすることで身が柔らかく、ビックリするほど美味しくなるのです!
まずは、アルミホイルを棒状にグシャグシャと丸めたものを輪にして、ドーナツ型の台座を作ります。このアルミホイルの台座を網の上に置き、そこにホンビノス貝を乗せて、安定した状態で中火で焼いていきます。
貝が1cmほど開いたら、トングを使って貝から出た出汁をこぼさないように、取り皿など何かの器に取り溜めておきます。
さらに貝が開いてきたら、蝶番をねじるようにして切り離し、身が付いている方の貝だけ焼いていきます。そこに、取り溜めておいた貝の出汁を戻して、酒と醤油を数滴さします。
そして、全体に火が通ったら出来上がり!ホンビノス貝から出た出汁が濃縮されていて、醤油2〜3滴でもしっかり濃厚な味で、一度食べたらやみつきになる美味しさです!
でも…
「この網焼き、やってみたいけど… こんな面倒なことやってられない。」と言う方のために、魚焼きグリルを使ったお手軽簡単バージョン(裏技あり)もご紹介しておきます。
殻付きの貝を焼く時の1番のポイントは、貝から出る美味しい出汁をいかにこぼさないように、グツグツ濃縮させることができるかということですよね。でも、二枚貝を焼いていて「パカッ」と貝が開くときに、せっかくの美味しい出汁がこぼれてしまうということがあります。
これは、貝は火で熱せられた側の貝柱から外れるため、網焼きなど下から火をかけると、上の殻に身が付いた状態でパカッと開き、貝の出汁が全部こぼれてしまうんですね。なので、魚焼きグリルで上側からだけの火で焼けば、貝の身と出汁は下に残ったまま、上の殻だけがパカッと開きます。
貝が開いた後は、タイミングを見て酒と醤油をさして、火が通れば出来上がりです!
漁師さんおすすめのホンビノス貝の美味しい食べ方①
おすすめ度:★★★★★
鮮度が良いホンビノス貝を入手できた時にはぜひ試してほしい、素材の味をフルに引き出す漁師さんおすすめの食べ方です。
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【材料】
- レモン 1/2個
- ホンビノス貝
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【作り方】
- ホンビノス貝をしっかり洗う
- フライパンで焼く
- 開いた貝からレモン汁をたらして出来上がり
〜 ポイント 〜
焼きたて熱々のホンビノス貝に、たっぷりのレモン汁をたらしてそのまま食べます。これ、すごくシンプルですが、新鮮で味の良いホンビノス貝のうま味や甘みを、たっぷりのレモンが極限まで引き出してくれます。
さすが、ホンビノス貝をよく知っている漁師さんならではの食べ方ですね!濃厚だけどさっぱりしていて、何個でも食べられるといった感じです!
漁師さんおすすめのホンビノス貝の美味しい食べ方②
おすすめ度:★★★★★
こちらも漁師さんオススメの食べ方で、獲れたてのホンビノス貝を船の上で食べているそうです。
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【材料】
- 醤油 適量
- マヨネーズ 適量
- ホンビノス貝
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【作り方】
- ホンビノス貝をフライパンで焼く
- 開いたらマヨネーズを乗せ醤油をたらして出来上がり
〜 ポイント 〜
やはりこちらも、新鮮なホンビノス貝の濃厚なうまさを生かしたシンプルな味付けです。
醤油は、本当に少し2〜3滴たらす程度がいいようです。醤油とマヨネーズの組み合わせも間違いない美味しさです。鮮度の良いホンビノス貝が手に入ったときは、ぜひお試しくださいね!
ホンビノス貝の酒蒸し
おすすめ度:★★★★☆
二枚貝の調理法で、王道とも言えるのが酒蒸しですよね。ホンビノス貝がたくさんあるときなど、手軽に一気に調理でき、身もふっくらして食べ応えも充分です!
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【材料】
- 酒 80cc
- 醤油 少々
- バター 5g
- 小口ネギ 2本
- ホンビノス貝 10個
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【作り方】
- フライパンに貝と酒を入れる
- お好みでバターを入れ、蓋をして中火で蒸す
- 貝が開いたら刻んだネギを入れ醤油をたらす
- 再度蓋をして1〜2分で出来上がり
〜 ポイント 〜
ホンビノス貝は味も濃厚なので、追加で塩を足す等の味付けは特に必要ないと思います。醤油を少々たらすのも香りづけ程度なので、入れすぎてしまうと塩辛くなってしまいます。もちろんバターもお好みで大丈夫です。
酒蒸しは、人数の多いときやホンビノス貝が大量にあるときなど、簡単に一気に調理できておすすめです。
また、残った茹で汁は、ホンビノス貝の美味しい出汁が濃縮されているので、沈殿物だけ除き冷凍しておけば、パスタソースにするなどいろいろ使えて便利ですよね。
ホンビノス貝のしぐれ煮
おすすめ度:★★★★☆
ごはんのお供に、おつまみに、炊き込みご飯に使ったりと… ホンビノス貝のしぐれ煮は食べ方いろいろです!
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【材料】
- ホンビノス貝(むき身) 250〜300g
- ホンビノス貝の出汁(茹で汁) 150ml
- 酒 100ml
- 醤油 大さじ3杯
- みりん 大さじ3杯
- 砂糖 大さじ1杯
- 生姜(せん切り) 30g
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【作り方】
- ホンビノス貝をむき身にする
- すべての材料を鍋に入れ火にかける
- 沸騰したら中火で15〜20分煮る
- 鍋の中で常温まで覚まし出来上がり
〜 ポイント 〜
冷凍のホンビノス貝のむき身でも簡単に作れるので便利ですよね。
沸騰するまで、こまめにアクを取るようにします。味付けは、醤油と砂糖で調整できますが、甘いのが好きな方は少し砂糖を増やしてくださいね。
中火にして15 〜20分が目安ですが、鍋の中の煮汁が少なくなってきて、煮詰まったら火を止めます。味が染み込むように、そのまま常温まで覚まして出来上がり!
おにぎりの具にしたり、おつまみにしたり、子どもから大人までみんなで食べられるホンビノス貝のしぐれ煮は、冷蔵庫で保存すればかなり日持ちしますよ。
ホンビノス貝の保存方法
ホンビノス貝は、あさりやはまぐりと同じように、冷蔵保存や冷凍保存することができます。もし砂抜きなどの下処理を行う場合は、先に済ませておきましょう。
冷蔵保存する場合
ホンビノス貝を2〜3日で食べきってしまう場合は、冷蔵庫で保存することができます。湿らせた新聞紙に包み、ビニール袋に入れ、口は密閉しないで冷蔵庫に入れます。もし野菜室があるようでしたら、冷えすぎるのを防止するため、野菜室で保存するようにします。
ホンビノス貝は外来種で生命力も強いのか、活の良いものだと1週間くらい生きているものもあります。逆に、2〜3日以内でも死んでしまっているホンビノス貝は食べられないので、早めに取り除くなど注意が必要です。
冷凍保存する場合
ホンビノス貝を冷凍保存する場合、殻付きのまま保存することも可能ですが、一般家庭の冷凍庫ではスペースの問題もあり非現実的なので、ここではむき身での冷凍保存の方法をご紹介します。
まず、鍋にホンビノス貝が浸かるくらい水を入れて火にかけます。そして貝が開き出したら、開いた貝から順次取り出して、身と殻を切り離し、殻は捨てます。
このゆで汁には、ホンビノス貝の美味しい出汁がいっぱい出ているので、沈殿物だけ除き、あとは身と一緒に保存します。フリーザーバックに、ホンビノス貝のむき身とゆで汁の出汁を一緒に入れ、空気を抜き真空の状態で密閉して冷凍庫に入れます。
この時、調理に使いやすいように、フリーザーバック何個かに小分けしておくと便利ですよね。また、真空で冷凍保存したホンビノス貝は1〜2ヵ月は美味しくいただくことができます。
【保存方法に関しては、はまぐりと同じで、こちらでも詳しくご紹介しています】
⇒ はまぐりの砂抜き方法!短時間ならお湯?大きな蛤の賢い冷凍保存とは
まとめ
よし、ホンビノス貝、食べてみよう!早く食べたい!ってなりましたか?
ホンビノス貝は値段もお手頃で、食べ応えもあり美味しく、本当にお得な貝だと思います。是非おすすめの食べ方、チェックしてみてくださいね。美味しいですよ!
最後にもう一つポイントを…
ホンビノス貝を買うときは、大きく成長したものは火を通すと身が硬くなりやすいので、欲張らずに小ぶりのものや中くらいのサイズのものの方が、柔らかくて食べやすいですよ!