ラクロスのルールや魅力が簡単にわかる!楽しくなる!【入門編】


最近では誰でも知ってるスポーツになりつつあるラクロス!

でも、名前は聞いたことがあるけどラクロスのルールまでは知らないって人は、かなり多いのではないでしょうか。学校の部活でも、中学校や高校でラクロス部があるところは全国的にも少なく、本格的に始めるのは大学に入ってからと言うのも関係しているのかもしれません。

そんなラクロスですが、実は芸能人や有名人でも何人かプレイしている人がいて、度々TVの特集などでも取り上げられて話題に上ったりしますよね。日本を代表するファンタジーアニメの中でも、主人公の女の子の親友がラクロス部で、車にひかれそうな猫をクロス(スティック)を使って助けるシーンは、なかなかの名場面で有名です。

とは言え、ラクロスの試合がテレビ中継される事はとんどないので、一般の人がラクロスに触れる機会はとても少ないのではないでしょうか。そこでここでは、「ラクロスのこと… 実はあんまり知らないよ」と言うラクロス初心者の方でも簡単にわかる入門編として、ラクロスのルールと魅力に迫りたいと思います。


ラクロスとはどんなスポーツ?

ラクロスは男子と女子でルールなど、相違点がかなり多いスポーツです。

1チーム男子は10人、女子は12人で行われる競技で、コートの広さはサッカーのコートとほぼ同じ位の広さなんですね。そして、棒の先にネットを張った”クロス”と呼ばれるスティックを使い、直径6センチ重さ約150グラムの固いゴムでできたボールを奪いあいます。

そのボールを拾うのも、投げるのも受けるのも全てクロスを使い、制限時間内に相手のゴールへいかにたくさん入れるかが競われ、多く入れたチームが勝ちとなります。ラクロスのフィールドは広く、アイスホッケーと同様にゴールの裏のスペースも使って、戦略的なパスワークを生かし、シュートにつなげると言ったチームプレイも重要になる競技です。

地上最速の格闘球技とも言われ、 男子ラクロスではクロスで相手選手を叩いたり接触も激しいので、ヘルメットの着用が義務付けられています。また、女子ラクロスでは相手選手への接触は認められておらず、競技の服装はポロシャツにタータンチェックの短いスカートというのも特徴です。

ラクロスの誕生と歴史

ラクロスのはじまりは北米の地で、北米先住民族による盛大で神聖な儀式として行われていました。顔には染料でペイントを施し、競技に至る前日までは何日もかけて勝利祈願の舞いが行われ、競技が始まったあとも勝負がつくまで何日も要したそうです。

多い時では1チーム1,000人を超える大人数で、コートのラインなどで区切りの無い広大な北米の土地を舞台に行われました。当時、部族と部族の間でどこの部族が世界を支配するのかなどを決めるための儀式として行われていましたが、競技を通して若い戦士の育成や、勇気や忍耐力を鍛えるための意味も込められていたとも言われています。

そんなラクロスですが、「ラクロス」という名前の由来は、一人のフランス人宣教師によってもたらされることになるんですね。そのフランス人宣教師が、ヒューロン族と言う部族の競技を観ていたとき、ヒューロン族の使うスティックが修道士が儀式で使う杖(フランス語でcrosse)に似ていたことから、ラクロスと名付けたのが始まりと言われています。

そして19世紀にはカナダ人の歯科医ビアーズが、1人でも多くの人にラクロスの魅力を伝えようと、自らラクロスのルールを新しく作り直して、世の中にそれを発表しました。次第に歯科医ビアーズのラクロスに対する熱い思いや、より近代化された新しいルールは、関係者たちに広く受け入れられていくことになります。そしてついには、19世紀後半にカナダの国技として認定されました。

こうして現在のラクロスの原型が出来上がり、世界各国に広がっていきましたが、当時のラクロスはまだ男子のみの競技だったんですね。それがのちに欧州へ広がり、そこで一気に女子の間でも人気が出たことから、女子ラクロスの始まりはスコットランドと言われています。

そしてスコットランドの民族衣装に似たタータンチェックのスカートは、競技用の服装として定着していくことになりました。

ラクロスのルール

ラクロスのルールを知る上で最も重要なこと。それは男子ラクロスと女子ラクロスでは、全く別ものと言ってもいいくらい、ルールが違うことです。

また、女子ラクロスでは男子と違い、接触プレイが禁止されていて、選手の体を安全に守るためにとても多くのファールがあります。

男子と女子の共通事項

  • コートの広さは、約100m × 55m 程
  • ボールを投げる・受ける・拾う等、すべてクロスで行う
  • クロスでボールを持ったまま何歩でも移動可能 *1 *2
  • 試合中の選手交代は何度でも可能
  • ポジションは、アタック AT・ミディ MF・ディフェンス DF・ゴーリー G(ゴールキーパー)がある *3

*1…ボールを保持したまま移動する際に、ボールを落とさないようにクロスを回転(揺らす)させることをクレードルと言います。

*2…ゴーリーを除く。

*3…AT ディフェンスを交わして主にシュートで狙う。
MF 中盤で攻撃と守りの両方をこなしゲームを作る。
DF ディフェンスに徹し敵からボールを奪い攻めに繋げる。
G 敵の放ったシュートからゴールを守る。

男子ラクロスのルール

  • 1チーム10人で構成される
  • 試合時間は20分×4のクウォーター制
  • クロスで相手を叩くなどの接触プレイが可能
  • 状況に応じてタックルすることが可能
  • ヘルメットなどの防具を着用する
  • クロスは金属製
  • 試合開始や再開時はフェイスオフという方法をとる

男子のファール

男子のファールにはテクニカルファールパーソナルファールがある

パーソナルファールとは重度のファールで、このペナルティーとしてファールの種類にもよりますが、1分〜3分のマンダウンとなります。*4

パーソナルファールに該当しない全てのファールをテクニカルファールといい、味方のポゼッション時は相手ボールに移り、相手のポゼッション時は30秒のマンダウンというペナルティーが課せられます。*5

*4…ペナルティー等で相手より人数が少ない状態をマンダウンという。

*5…ボールをキープしている状態をポゼッションという。

パーソナルファールの一例

トリッピング
クロスなどで相手の足を引っ掛けること

スラッシング
クロスで相手の頭部などを叩くこと

スペアリング
頭で相手にぶつかっていくこと

クロスチェッキング
相手をクロスで突いたり、握った手と手の間のハンドル部分で相手をチェックこと

テクニカルファールの一例

プッシング
クロスで相手を押したり後ろから押すこと

ホールディング
クロスで相手や相手のクロスを押さえこむこと

オフサイド
各エリア内でプレイできる人数が決められていて、オフェンス側に3人、ディフェンス側に4人の最低人数を下回ること

女子ラクロスのルール

  • 1チーム12人で構成される
  • 試合時間は25分× 2のハーフ制
  • 接触プレイは不可
  • クロスで相手のクロスを叩くことは可能
  • アイガードやマウスピースを着用する
  • ポロシャツにミニスカート又はパンツスタイル
  • クロスは木製又は金属製
  • 試合開始や再開時はドローという方法をとる

女子のファール

女子のファールにはメジャーファールマイナーファールがある

メジャーファールとは相手選手に危険が及ぶとみなされる行為のことで、それ以外の危険を伴わないファールをマイナーファールといいます。

女子のラクロスでは、スタンドといって審判がファールのホイッスルを吹いた時は、全選手その場で立ち止まらなければいけません。もし動いてしまうとクリーピングというファールになります。

メジャーファールの一例

プッシング
クロスや体を使い相手を押すこと

チャージング
ボールを持った状態で自ら相手にぶつかっていくこと

ブロッキング
自らの体を壁にして相手の進路を塞ぐこと

デンジャラスチェック
クロスで相手の体や頭を叩くこと

スワイピング
相手の頭や体の付近で過度にクロスを振り回すこと

マイナーファールの一例

ガーディング
ボールを持っている時、もう片方の手や腕でクロスを守ること

カバーリング
転がっているボールに対して、相手が取れないようにクロスや体を覆い被せること

ボディボール
体の一部でボールを触ること

ラクロスの魅力

女子ラクロスの華やかでかわいらしいユニホームが特徴で、メディアにも度々取り上げられるラクロスですが、そのかわいらしい見た目に反して実はかなり激しい競技なんです。

スピード感がある素早いパス回しやトリッキーな技を使った頭脳戦、攻めと守りが激しく入れ変わる展開、ゴール前での息をのむ攻防など、どこをとっても観る人を飽きさせないですよね!

もちろん観戦するだけでなく、実際にクロスを手にしてプレイすれば、他のスポーツでは味わえない楽しさや魅力を感じ取れると思います。

ラクロスのポジション別の魅力

先ほどポジションについて触れましたが、ラクロスではポジションごとにそれぞれの特徴と魅力があるんですよね。

アタック(AT)は、点を取ることが目的なので、かっこよくシュートが決まれば達成感があります。もちろん泥臭く決めてもかっこいいです。点を決めるという意味では、見ている人にもわかりやすいので、華があるポジションと言えるかもしれませんね!

ミディ(MF)はミッドフィルダーのことで、ゲームの中盤を組み立てるため、1番体力が必要なポジションですが、常にゲームを動かしているという楽しさがあります。

ディフェンス(DF)は、相手チームのアタックが攻めてくるのを阻止します。一見地味に見えますが、ディフェンスが強ければ相手チームは点数が取れないので、結果的にゲームを優位に進められますよね。

そして、最後の砦のゴーリーですが…

ゴーリーの魅力

ゴーリー(G)は、相手が攻めて来なければあまり出番はありません。

と思われがちですが、実は最も重要なポジションとも言えるのです。コートの中で、選手たち全員の位置や動きを把握できる唯一のポジションなんですよね。足を使って走り回らない分、頭脳と大きな声を使って最後尾からメンバーに指令を出していきます。

また、相手チームからのシュートをセーブしたら、素早い判断で次にボールをどこに出すかでも、ゲームの流れを変えることもあります。瞬発力と強靭な精神力、強いラクロス愛を持ち合わせた人にはオススメのポジション。メンバーから厚い信頼を得ることができるポジション。

それがゴーリー というポジションなのです!

地上最速の格闘球技

そうなんです! 男子ラクロスともなると激しい接触もあり、「え?格闘技なのこれ」 なんて感じることもあります。

男子のトッププレーヤーのクロスから放たれるボールは、時速160キロに到達することもあるんですよね。それがゆえ、ラクロスは地上最速の格闘球技とも言われたりもします。

時速160と言えば、一流のプロ野球選手のピッチャーでもなかなか投げられないほどの速さです。それがフィールドの中で飛び交うわけですから、それはもうプレイしている選手もそうですが、観覧している人も手に汗握る迫力ですよね!これこそ、ラクロスの真の魅力と言えるのではないしょうか。

まとめ

ここまで入門編ということで、ラクロスについて簡単に紹介してみました。日本では、大学生になってからラクロスに触れる人が多いので、その気になれば子どもから大人まで老若男女、誰でも楽しめる競技だと思います。

何か新しいことにチャレンジしたいと思っている人には良いのではないでしょうか。実際にプレイせずとも、生でラクロスを観戦して、その熱気と興奮を肌で感じると、ラクロスがより身近に感じられるかもしれませんね!


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