年齢の数え方には、満年齢と数え年の2つがあると言うのは皆さんご存知だと思います。
では、「あなたは満年齢で何歳ですか?」とか「数え年では何歳ですか?」と聞かれたら、すぐに答えられるでしょうか。
これ、実は自分の年齢を数え年で即答できない人は、意外に多いようなんですよね!あ、もちろん、年齢をいっぱい重ねていて…「内緒!」や「ヒ・ミ・ツ」という場合もありますが…。
と言うことで、いつでも簡単にわかる年齢の数え方や計算方法や、満年齢と数え年の違いなど、わかりやすく徹底解説していきます!そして、年齢の数え方でこれだけは知っておきたいことや、年齢の数え方の面白い雑学なども併せてチェックしていきましょう!
目次
年齢の数え方
年齢の数え方には、満年齢と数え年の2種類があり、人は1年(365日)で1歳をとります。ただ、満年齢と数え年では加齢のタイミングやスタート時の年齢が違うため、常に1歳〜2歳の差が生じるんですよね。
満年齢の数え方
「あなたは今、何歳ですか?」と聞かれたら、たいてい多くの人が「◯◯歳」とすぐに答えられますよね。
今の日本や現在の世界の多数の国で、年齢の数え方として使われているものが満年齢ということです。最も分かりやすく簡単に言ってしまえば、『いま現時点での年齢』というわけなんですね。
満年齢では、お母さんのお腹から産まれた瞬間に「0歳」と数えます。そして、ちょうど1年が過ぎて誕生日が来ると「1歳」になります。
さらに翌年の誕生日が来ると「2歳」という感じに、毎年の自分の誕生日ごとに1歳ずつ加齢していく年齢の数え方こそが満年齢なんですね。
満年齢の簡単な計算方法
計算と聞くと、なんだか難しそうとか面倒などのイメージもあるかもしれませんが、実は満年齢の計算方法は凄く簡単なんです!
現在の西暦から生年月日の西暦を引く。
たったこれだけなんですね!で、その年の誕生日がまだ来てないのであれば、そこから「1」を引けばいいわけです。
例えば現在が西暦2020年として、2000年生まれの人なら…
2020 ー 2000 = 20 (歳)
その年の誕生日を
- 過ぎている場合 … 満20歳
- 過ぎていない場合…満19歳
こんな感じで、計算で簡単に満年齢を知ることができます。この満年齢の計算方法を知っていれば、年齢をいっぱい重ねて自分の歳を忘れてしまっている人も、瞬時に思い出すことができるんです。
もちろん、他人の年齢も生年月日がわかればすぐに導き出せるので便利ですよね!あなたは西暦何年生まれでしょうか?…
数え年の数え方
数え年は満年齢と違い、普段の日常生活の中ではそれほど多く目にすることもないので、すぐに数え年で答えられない人も多いと思います。
まず、数え年の数え方を知る上で重要な事は、数え年には『誕生日』や『0』という概念がないということです。数え年では、お母さんのお腹から生まれた時点で「1歳」と数えます。
そして、生まれてから最初に迎える正月(1月1日)で「2歳」となります。その翌年の正月(1月1日)で「3歳」というように、その後毎年の元日を迎えるたびに1歳ずつ歳をとっていきます。
要するに、数え年は満年齢と違い、毎年の元日(西暦とともに)に加齢するという数え方なんですね。
数え年の簡単な計算方法
数え年の計算方法は、満年齢を基準に考えるといたって簡単です。数え年と満年齢との歳の差は、常に「1歳」または「2歳」ということです。
例えば、満年齢で「満20歳」の場合、数え年では「21歳」か「22歳」のどちらかだということなんですね。その境目が誕生日になります。要するに…
その年の
- 誕生日前なら … 満年齢 +「2歳」
- 誕生日後なら … 満年齢 +「1歳」
こんな感じで、簡単に数え年を知ることができます。この数え年の計算方法を知っておくと、イベント事などで瞬時に数え年での年齢がわかり、とても便利ですよ。
数え年の場合、12月に生まれると1歳で、すぐにお正月が来て2歳となり、生まれて数日で2歳になることもありました。特に12月31日生まれだと、生まれた翌日に2歳となってしまうことから、そのような場合は1月1日に生まれたことにするといった例も昔は多かったようです。
年齢の数え方 〜 満年齢と数え年の違いとは?
ここまで、満年齢と数え年とでそれぞれの年齢の数え方を見てきましたが、満年齢と数え年の違いは2つあると言うことがわかりました。
満年齢では、生まれた時を「0歳」とするのに対し、数え年では生まれた時を「1歳」となる違いがあります。
もう一つは、満年齢では加齢のタイミングが毎年の誕生日なのに対し、数え年では毎年の元日に歳をとるという違いがあったんですね。
満年齢での年齢の数え方では、誕生日を重視しているので、この世に生まれてから実際に何年経過したのか、という人間の年輪のようなものを知ることができます。言ってみれば定規(じょうぎ)のようなもので、年齢を正確に知ることができるため、あらゆる統計を取る上で利便性が高いといえます。そもそも、満年齢はわかりやすいですよね!
一方、数え年は満年齢と違い、誕生日は一切関係なく暦を重視しているので、生年がわかれば年齢を数えることができます。これは、訃報など享年で表す場合に、亡くなった日や誕生日が分からなくても生年から年齢が分かるので、そういった点では使いやすいのかもしれませんね。
年齢の数え方の由来
今を生きる私たちは、年齢を数えるほとんどのシーンで満年齢を使いますよね。そもそも、なぜ満年齢と数え年の2つが存在するのでしょうか。
昔の日本では、年齢の数え方は数え年だったと言う事は皆さん周知の事と思いますが、数え年は便利だったのでしょうか。数え年には、どんなメリットがあったのか気になったりしませんか?
数え年の由来やメリットとは?
数え年という数え方は、中国に由来すると言われています。日本や中国の他にも東アジア諸国では、昔は数え年が使われていたんですね。
満年齢では、生まれた時を「0歳」と数えますが、そもそも昔はまだ0(ゼロ)という概念はありませんでした。例えば、物を数える時を想像してみてください。
米が1俵…2俵…、お箸が1膳…2膳…と数えますが、お箸が0膳とか言わないですよね。0とは何もない状態なので、数える必要も数える機会もなかったというわけです。なので、生まれた時も「0歳」ではなく「1歳」と数えるのが、ごく当たり前の事だったんですね。
そして、正月には鏡餅をお供えし、門松(かどまつ)や、しめ飾りなどを飾って、歳神様(年神様)を迎え入れることで、今年も1年、幸多き年になると考えられてきました。
現代のお正月の「お年玉」のルーツも、実は歳神様にあったのです。お年玉はもともと「御歳魂」とされていて、毎年お正月には歳神様から魂をいただく。その年1年分の活力や生きる力をいただく。と考えられてきました。
『人は魂を持って生まれてきて、正月を迎えるたびに魂をいただく。』この魂の数こそが、数え年の年齢の数え方の元になっていると言われています。そして人は皆、元日をもって1つ歳をとるとされてきたんですね。
数え年のメリット
満年齢にすっかり慣れている私たちには、少し面倒臭くも思える数え年ですが、実はこれ、当時の時代を考えるとメリットはあったんです!
昔は今と違って大家族で、1軒の家の中に子供が10人住んでいるなんてことも珍しくありませんでした。そして今と比べれば生活は貧しくて、ペンや紙が豊富にあるわけではなく、カレンダーなども無い時代でした。
そんな中、家長にとっては家族や子供が皆揃って元日に歳をとる数え年は、非常に管理がしやすかったともいえます。 今でこそ役所はすべての住民をコンピューターで管理していますが、もし昔に満年齢だったとしたら、すべての村人や町人を把握するのは無理だったのかもしれませんね。
満年齢はいつから?なぜ?
満年齢の数え方が普及したのは、長い歴史においてまだ最近なんですね。
中国では満年齢を使うことが決められていますが、田舎のほうに行くと今でも数え年で年齢を数える地域も地域もあるようです。お隣の韓国は今も普通に数え年を使っているのは有名ですよね。ちなみに日本では、実は満年齢を使いなさいと法律で定められているのです。
明治35年(1902年)12月22日に施行された、『年齢計算ニ関スル法律』と言うものの中で、年齢の数え方は満年齢を使うように示されているんですね。しかし、実際にはそれほど満年齢は普及せず、当時は使い慣れていた数え年を使い続ける人が多かったようです。
そこで、昭和25年(1950年)1月1日に施行された『年齢のとなえ方に関する法律』の中で、国や地方の公共機関は満年齢を使うことが義務付けられたのです。
この時代背景には、満年齢と数え年がごちゃまぜになっていて、生後間もない0歳児に2歳児用の食事が配給されるという問題も多々あったそうです。そういったこともあり、戦後の日本では年齢の数え方として満年齢が急速に広まったんですね!
年齢の数え方 〜 日本の行事から雑学まで
数え年が用いられる行事
今の日本では、普段の生活の中で数え年の数え方が出てくる事はほとんどありませんが、古くからの伝統行事等では数え年が使われていますよね。
- 七五三
- 歳祝い(年祝い)
- 占い
- 厄年
- 葬祭の享年(行年)
- 年忌法要
これらの行事は、本来数え年で行われてきましたが、最近では満年齢で行うことも増えています。
子どもの成長を祝う七五三では、もともとは数え年で行っていましたが、最近では満年齢で行うことも多くなってきました。また、古希や喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、紀寿 などの歳祝い(年祝い)も、満年齢でお祝いすることが増えてきていますよね。
ただ還暦は、数えで61歳(満60歳)で長寿祝いを行います。また、厄年と1周忌以外の年忌法要は今でも数え年で行われています。
このように伝統行事も満年齢で行うことが増えつつありますが数えで行う行事もあります。詳しくは、地域の人や神社やお寺に確認するようにすると良いかもしれませんね。
履歴書に書く満年齢とは?
履歴書を始めとする公的な重要な書類を書く際に、自分の年齢を書く欄がありますよね。そのような場合はもちろん満年齢で年齢を記入すると思いますが、中には間違えて記入してしまうこともあるといいます。
満__歳 とか 満(__)歳 の記入欄を見ると、今年迎える年齢を記入してしまう人もいるようですが、これは間違いで、その時点での自分の年齢を記入します。要するに、履歴書等に記載する月日の時点での、自分の年齢を記入すればいいんですね。
よくあるスポーツ選手の選手名鑑など、年1回の発行物に年齢が記載してある場合、記載の年齢はその年に到達する年齢が示してあることがあります。なので、満年齢で数える時は、このような特殊な場合と区別して考える必要があるといえますね。
満年齢の不思議! 4月1日生まれって…
「年齢の数え方の不思議」として、4月1日生まれが話題に上ることがありますよね。学生の頃、学年で1人くらいは4月1日生まれの人がいたのではないでしょうか。なぜ、同じ年の4月1日生まれと4月2日生まれで、違う学年になってしまうのか? と、不思議に感じていた人もいると思います。
その答えは、前述した例の法律の中にありました。再び出てきましたが、明治35年(1902年)12月22日に施行された、『年齢計算ニ関スル法律』の中で、満年齢についての定義が書かれていたのです。
難しい言葉を使わずすごく簡単に言ってしまえば、出生したその日を1日目として年齢を計算するとなっています。そして365日目の満了時に満1歳になるとされているので、これは誕生日の前日の午後12時に歳を1つとることになりますよね。
ここで気になるのが、誕生日前日の午後12時と誕生日当日の午前0時は、同じ時刻を意味していますよね。ただ、365日目は誕生日の前日にあたるので、前日に満1歳を迎えると言うことになります。
なので、同じ年の1月1日〜4月1日生まれは、早生まれとして同じ学年になるというわけなんです。今から100年以上も前に施行された法律の影響を受けていたとは、なんだか驚きですよね!
まとめ
昔はよく、おじいちゃんやおばあちゃんとお話しするとき、数え年で年齢を言ってたなぁ… と、ふと思い出しました。そんな数え年と満年齢の違いや、年齢の数え方のあれこれについて、いろいろ見てきました。
今後、日本の伝統行事などで数え年に触れる機会があれば、ぜひこの記事のことを思い出していただけたら幸いです。