あさりをはじめ、はまぐりやしじみ等の二枚貝を調理するときは貝の砂抜き作業が必要ですよね!
スーパーでお値打ちなあさりを見かけて、買おうか迷ったけど… 砂抜きには何時間も時間がかかるし… 今日は買うのをやめとこ。なんて経験をしたことがある人も、多いのではないでしょうか。
確かにあさりなどの貝類の砂抜きは、面倒に思える時もありますよね。でも、実はこの砂抜き作業、50度のお湯を使って上手くやれば、15分くらいで簡単に終われてしまう時短ワザがあるんです!勿論、あさりだけじゃなく、しじみやはまぐりでも同様に。
ただ、50度のお湯を使った砂抜きの時短ワザが、全ての面においてメリットばかりかと言うと、そんなことはなくデメリットもあるようなんですよね。
なのでここでは、50度のお湯を使った砂抜きの時間短縮ワザのご紹介に併せて、一般的な塩水を使っての砂抜き方法との比較、そしてメリット・デメリットについて、徹底的にチェックしていきましょう!
※ 砂抜きの時短ワザは、あさり・しじみ・はまぐりとも共通事項になります。
目次
一般的なあさりの砂抜き方法
通常、あさりなどの二枚貝の砂抜きをするときは、それぞれ貝が生息していた場所と同じに等しい状況を作ります。あさりやはまぐりなら、塩分濃度3%の塩水で、水温20度程度、さらに光を遮断して暗くすることで、安心して活動し始め砂を吐き出します。
そして、この砂を吐き出すのに、あさりで3〜4時間、しじみやはまぐりで3時間弱はかかってしまいますよね。この砂抜きの工程が終わった時点で砂は抜けているので食べられますが、もうひと手間、塩抜きと貝の旨味成分であるコハク酸を増加させる工程まで行うことで、より美味しくなります。
結果、この塩抜きプラスαの工程まで入れると、最低でも約6時間ほど要することになってしまうんですね。
あさり(はまぐり・しじみ)を50度のお湯で砂抜きをする時短ワザ!
※ あさり・はまぐり・しじみ共通事項です。
最近では、この50度のお湯での砂抜き方法も、いろいろなところで見聞きすることが増えてきたように思いますが、この方法で砂抜きをすると、約15分ほどで完了します。先に述べた一般的なあさりの砂抜きの場合だと、砂抜きと塩抜き合わせ6〜7時間はかかるので、それと比較すればかなりの時間短縮ですよね!
ではさっそく、手順を見ていきましょう。
1. ザルに入れ流水で洗う
貝と貝をゴロゴロ擦り合わせるようにしっかり洗います。
あさりなど、海水の砂泥底に生息する貝には腸炎ビブリオが付着している場合があります。腸炎ビブリオは食中毒を起こす細菌ですが、真水に弱いので、他の調理器具などからの二次感染を防ぐためにもこの時点でしっかり洗っておきましょう。
2. ボウルにあさりを入れ50度のお湯を注ぎ、軽く混ぜる
50度のお湯を注ぐと、あさりがヒートショックと言う状態になり、貝が2〜3mmほど開きます。この状態で、ボウルの中のあさりをまんべんなくかき混ぜまると、2〜3分でお湯が濁って汚れてきますので、1回お湯を捨てます。
3. あさりをバットに入れ再度50度のお湯を注ぎ15分置く
ここではボウルではなく、バットなど底の平らな容器にあさりが重ならないように並べ入れます。通常の砂抜き作業と違い、あさりが沈むくらいたっぷりお湯を入れます。また、途中でお湯が冷めないように、お湯を追加するなどして50度の温度を保つようにしましょう。
4. 最後にあさりを流水で洗う
バットからあさりを取り出し、流水で洗って完成です。これで砂抜き作業は完了しているので、このまま調理に使えます。
あさりをお湯で砂抜きをする時短ワザのポイントや比較
お湯を使って砂抜きをする場合は、特にお湯の温度が重要になります。砂抜きに使っているお湯の温度が約40 度を下回ると、雑菌が湧きやすくなります。また逆に、温度が高すぎると当然ながらあさりが茹で上がってしまうので、ある程度正確に50度のお湯を用意するようにしましょう。
給湯器でお湯の温度を調節したり、温度計がある場合は問題ないと思いますが、何もない場合は少し工夫が必要になります。個人差はありますが、私の場合で50度のお湯に、5秒から10秒ほど手を入れていられる程度です。
ちなみに、一般的な熱めのお風呂と言うと42〜43度と言われていますので、それを参考に作ってもいいかもしれませんね。
あさりを保存すると言う面では、50度のお湯に浸け込んでいるため、一旦熱がかかったあさりは傷みやすく、冷蔵冷凍を問わず保存には適しません。もともと貝は足が早く、夏場は貝による食中毒も怖いので、特に注意が必要と言えそうです。
また、お湯に浸けて傷みやすい状態にあるあさりは、常温や涼しい場所で放置する「旨味成分のコハク酸UP」の工程も行わないほうが安心です。なので、砂抜きをした後すぐに調理して食べてしまう場合には、面倒な作業がなく15分ほどで砂抜きが完了するため、お手軽で便利な方法と言えるかもしれませんね。
そして、お湯で時短ワザの砂抜きをしたあさりは、調理した際には身がふっくらするとも言われています。ただ、時々あさりの中に砂が残っていたと言う失敗もあるようなので、時間があるときは一般的な塩水を使って数時間かけて行う砂抜きの方法が良いのかもしれません。
【旨味成分を増加させることが出来る一般的な砂抜きは、こちらで詳しくご紹介しています。】
→ 【失敗しない】あさりの砂抜き方法と意外に知らない塩抜きと保存方法
→ はまぐりの砂抜き方法!短時間ならお湯?大きな蛤の賢い冷凍保存とは
【栄養の面で優れているしじみは、特に一般的な砂抜き&冷凍保存で ◯◯が8倍に!】
→ しじみの砂抜きを失敗なく早くやる方法!冷凍保存がおすすめな理由!
お湯で砂抜きをするメリット
とにかく砂抜きの作業が早く終わります。一般的な方法だと6時間程度はかかるところ、お湯を使った時短ワザなら15分ほどで完了するので、忙しい主婦の方など調理にあまり時間を使えない場合にはオススメの砂抜きの方法だと言えます。
また、調理に使うあさりの量が少ない時や、一度で食べきってしまって保存することがない場合には、わざわざ数時間も砂抜きに時間を費やすことなくお手軽です。
そして、調理時あさりの身がふっくらするのも良いですよね。
お湯で砂抜きをするデメリット
一般的な塩水を使って砂抜きをするのに比べて、時々砂が残っていることがあります。はまぐり・しじみでは比較的砂は抜けて成功しやすいですが、砂の多いあさりでは失敗するケースもあるようです。
調理方法によっては、お湯で砂抜きをしたあさりは、貝から身が剥がれやすくてボロボロ崩れやすくなります。また、海水以外のお湯につけることによって、栄養や旨味成分が幾らか流れ出すとも言われています。
お湯に通したあさりは、傷みやすく保存には適しません。なので、あさりの旨味成分のコハク酸を増加させるための常温放置の工程は、避けるようにしましょう。
まとめ
とにかく時間が無いときなど、すぐにでも調理することができると言う点においては、50度のお湯を使って砂抜きをすれば、ものの15分で完了することができるので便利な時短ワザだと言えますよね。
また栄養の面や旨味、あさりの保存などに関しては、一般的な塩水での砂抜きのほうがメリットが多いということもわかりました。
それぞれの砂抜きの特徴を知って、そのときどきに合った方法で便利に使い分けて、賢く美味しくあさりを調理していきたいですね!